配偶者居住権とは、亡くなった者の配偶者が、相続開始時に被相続人が所有する建物に居住していた場合に、終身その建物を無償で使用収益できる権利で、相続時の配偶者の保護を目的とする制度の一つです。
従来は、配偶者が相続後も被相続人と住んでいた建物に居住し続けるには、その建物の所有権そのものを相続する必要がありました。建物の評価額は高額なことから、所有権を相続することで、その他の現金や預貯金などの流動資産を相続できず、相続財産の取り分が減少するおそれがありました。また、相続財産に建物以外の流動資産がない場合、他の相続人への代償金が支払えず建物を手放すほかないことから転居を強いられる場合もありました。
配偶者居住権の創設後、配偶者は、建物の所有権と分離して居住権のみを相続し、他の相続人が所有権を相続することができるようになります。配偶者居住権は、居住する建物の売買や賃貸といった処分行為が制限され、相続時の評価額も減少するため、相続分の問題で配偶者が生活資金になりやすい流動資産を相続できないような事態や代償金を払えない状況を防ぐことができるようになります。
また、配偶者は、建物の居住権のみを相続できることから、所有権を相続した他の相続人にその建物に生じる固定資産税などを負担させることも可能となります。
■成立要件と範囲
配偶者居住権は、相続開始時に配偶者が建物に居住しており、かつ遺産分割・遺贈・死因贈与・家庭裁判所の決定により成立します。もっとも被相続人が配偶者以外の者と建物を共有していた場合は成立しません。配偶者居住権の存続期間は終身ですが、遺産分割協議や遺言などで存続期間を定めることもできます。
配偶者居住権は、建物全体に生じることから、テナントなどの居住部分を除いた箇所も居住権の範囲に含まれます。
■登記を忘れずに
配偶者居住権が成立している建物を処分することはできません。しかし、建物に配偶者居住権が成立していることの登記を怠った場合、建物を譲り受けた第三者に居住権を対抗できず、追い出されるおそれもあるので必ず登記をしましょう。
■施行日
配偶者居住権に関する法律(民法1028条から1041条まで)は2020年4月1日に施行。
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